マルチタスクがあなたの能力を奪う
メールの連絡、上司との打ち合わせ、資料作り・・・・
多くのマルチタスクを日常的に並行して進めることが当たり前になった現代ですが、人間の脳は数千年前から全く変化していないと言われています。
精神科医のアンデシュ・ハンセンは自身の著「スマホ脳」で、マルチタスクを行うことが集中力、作業記憶(ワーキングメモリ)に影響を及ぼすと主張しています。実際に研究の結果では、マルチタスクに慣れている若者はそうでない人たちよりも記憶テストの成績が悪かったとのことです。
人間はマルチタスクが出来るように作られてはいない
マルチタスクがうまくこなせている人、あなたの周囲にいますせんか?
これは別にマルチタスクをこなしている訳ではありません。一つ一つの仕事に集中して取り掛かり、それを劇的な頻度で切り替えているだけなのです。この劇的な頻度の切り替えが他の人から見た際に、マルチタスクが出来ていると感じるわけです。
つまり、マルチタスクはそもそも人間に不向きな仕事の仕方なのです。
マルチタスクを減らしていくことがミス撲滅への一歩
マルチタスクが仕事の成果に悪影響を及ぼすことはわかりました。それでは、どのように減らしていくことが大切になるのでしょうか。
- メールの確認する時間を決める
一日にメールを確認するタイミングを決めましょう。メールを確認する度に、あなたの集中は妨げられてしまいます。
- 資料の作成は仕事の割込みが少ない時間に集中して作る
資料は短時間で集中して作ることで、ミスを防ぐことができます。一日の中で、どのタイミングに作れば、電話・上司・突然の仕事により作成が妨げられないのか、スケジュールを見直してみましょう。
- 集中できる環境を作る
あなたのスマートフォンは一日に何回、通知が来ますか?通知のたびにあなたの集中はリセットされてしまいます。LINEの通知、メッセージの通知など緊急性が低いものに関しては通知を切ってしまいましょう。
脳の記憶容量は思ったより少ないものです。また、覚えておくことに意識を向けることで、集中が妨げられてしまいます。すぐにやらない仕事に関しては、ToDoリストに記載しておきましょう。
マルチタスクを減らして、一つ一つのことに集中して取り組んでいきましょう。
ADHD・ADDお役立ちブログを開設しました。
発達障害(ADHD・ADD)に苦しむ人が、少しでも楽に生きられるように役立つアイデアを投稿していきます。
このブログは、ADHD・ADDの診断を受けた私が、社会生活での苦しみを減らすアイデアを発信し、同じ苦しみに悩む人達と心穏やかに生きていくことを目的としています。
●ADHDが引き起こす苦しみ
ADHD・ADDは多くの問題を当人にもたらします。それは、社会性の欠如が引き起こすトラブルや、多発するミスによるトラブルを主としています。健常な人の数倍、それらのトラブルに悩まされるということは、それだけ多くの叱責を受け、自尊心を傷つけられるということです。
当事者はこの失敗の繰り返しの中で「自分は何てダメな人間なんだ」「自分には生きる価値がない」といった、自己否定の無限ループに入り、今まで楽しかった事にも打ち込めず、一人孤立していきます。精神障害というのは厄介なもので、なかなか周辺の人に打ち明けることもできません。ただ一人沈んでいくのみです。
●苦しみをどうすれば打開できるか
一つ目の打開策は薬です。ADHD・ADDを緩和する薬はコンサータ・ストラテラ・インチュニブ(筆者が服用)など様々なものがあります。しかし、どれも完治してくれる薬ではないため、生涯飲み続けていく必要があります。個人差はありますが副作用もあるため、注意して飲まなければなりません。
二つ目の打開策は生活の工夫です。あなたの生活様式や仕事の内容にもよりますが、あらゆる工夫を考え、試行錯誤をしていくことでしか人生を良くしていくことは出来ないのです。少しずつ成長する以外に私たちに与えられた道はありません。
私たちに付けられている発達障害という重い枷は、決して外すことはできません。それでも、生活の工夫を通じて体力をつけていけば、いずれは重さを気にせずに走り回ることも出来るのではないかと思います。